「確定申告って、自営業の人がやるものでしょ?」
会社員の方なら、そう思うのが普通だと思います。年末調整があるから、自分には関係ない、と。
でも私は、会社員でありながら確定申告を約20年続けています。
最初は必要に迫られて始めたものですが、今では毎年の習慣であり、正直に言えば家計管理の武器になっています。この記事では、なぜ会社員の私が確定申告を続けているのか、そして20年続けて分かったメリットをお伝えします。
きっかけは退職。年末調整がなくなった年に始めた
最初に確定申告をしたのは、会社を辞めた直後の年でした。
退職すると、会社がやってくれていた年末調整がなくなります。自分で申告しなければ、税金の精算ができない。必要に迫られての、初めての確定申告でした。
その後もしばらく自営業的な活動をしていたため、収支報告として確定申告を続けることになり、そこで習慣がつきました。
会社員に戻ってからも、この習慣はやめていません。むしろ「やめる理由がない」と感じています。
いま、会社員の私が確定申告をする理由
現在の私が確定申告を続けている理由は、大きく3つあります。
①自己申告しないと受けられない控除がある
年末調整は万能ではありません。寄付金控除や医療費控除など、自分で申告しないと受けられない控除があります。
こうした控除は、黙っていては1円も戻ってきません。申告して初めて、払いすぎた税金が還付されるのです。
②控除の申請漏れがないか、毎年確認できる
確定申告書を作る過程で、その年の自分のお金の動きを一通り見直すことになります。「この支出は控除対象では?」という視点で1年を振り返るので、申請漏れの発見機会になります。
③税制の最新ルールを把握できる
税制は毎年のように変わります。確定申告を自分でやっていると、否応なく最新のルールに触れることになります。この「税金への感度」は、続けているからこそ維持できるものだと感じています。
ちなみに、かつては株取引の損失繰り越しや、自営業収益の収支報告のためにも申告していました。人生のフェーズによって申告する内容は変わりましたが、「自分の税金は自分で把握する」という軸は20年変わっていません。
紙の時代からe-Taxへ。申告は劇的に楽になった
20年続けていると、確定申告そのものの進化も体感してきました。
かつては、申告書を紙に印刷し、領収書などの必要書類を添えて、税務署に直接提出していました。大量のプリントアウト、確定申告時期の混み合う税務署——提出作業だけで、一定の労力が必要だったのです。
それが今は、e-Taxで完結します。
税務署に行く必要はなく、自分の好きな時間に、自宅から申告できる。書類の山も、窓口の行列もありません。「確定申告は大変」というイメージは、正直、もう過去のものだと思います。
20年続けて分かった、実用面の2大メリット
①適正な減税=払いすぎた税金を取り戻せる
一番分かりやすいメリットはこれです。控除をもれなく確認して申告することで、適正な減税を受けられます。
大げさな節税テクニックの話ではありません。本来受けられる控除を、きちんと受ける。それだけで、払いすぎた税金が戻ってくるのです。
②年に一度の「家計の棚卸し」になる
私は確定申告に合わせて、毎年の家計収支の確認も行っています。
申告作業とセットで1年のお金の流れを振り返ることで、年間収支を継続的に把握でき、「来年はこの支出を調整しよう」という改善にもつながる。確定申告が、総合的な家計管理のペースメーカーになっているのです。
年に一度、強制的にお金と向き合う機会がある——これは、20年続けてきて一番大きな収穫かもしれません。
まとめ:確定申告は「納税者の正当な権利」
最後に、一番伝えたいことを書きます。
確定申告は、義務である前に、納税者の正当な権利です。
自分で申告することで、受けられる控除をもれなく受け、適正に税金を納める。その結果、家計にゆとりが生まれます。
昔は確かに手間がかかりました。でも今は、IT技術の進歩で、e-Taxを使えば誰でも簡単に申告書を作成できます。「面倒だから」という理由でこの権利を使わないのは、もったいない時代になりました。
そしてもう一つ。確定申告を続けていると、税金に対する意識そのものが変わります。給料から「なんとなく引かれているもの」だった税金が、「自分で把握し、コントロールするもの」に変わる。このお金への意識の変化こそが、長い目で見て資産形成——お金持ちへの道につながっていくと、私は考えています。
医療費がかさんだ年、ふるさと納税をした年——まずはそんな年に、一度確定申告を体験してみてください。思っているより、ずっと簡単です。そして一度やれば、お金の見え方が少し変わるはずです。

