買い物は「最安値」にこだわらない。安さと引き換えに失っているもの

コラム

「もう少し待てば、もっと安くなるかもしれない」
「あの店なら、これより安く買えるはずだ」

買い物のとき、こう考えたことはありませんか。

私はあります。というより、さんざんやってきました。そして今、はっきり思うのです。

最安値を追いかけてさまよっている間に、私は「お金以外の何か」を確実に失っていた。

今日は、私の失敗を振り返りながら、「安さ」との付き合い方について考えたことを書いてみます。


失敗①:メルカリで、最安値を狙い続けた日々

私は店舗の行列に並ぶようなことはほとんどしません。でも、メルカリでは最安値を狙って粘っていた時期があります。

欲しい商品があると、相場の中で一番安い値段で買いたいと考えて、通知をすぐ受け取れるように設定しておく。安い出品が出た瞬間に飛びつけるように、常にアンテナを張っておくわけです。

その結果、何が起きたか。

  • – タッチの差で他の人に買われて、猛烈にイライラする
  • – ようやく買えたと思ったら、その後にもっと安い同じ商品が出品されて、悔しい思いをする

……これ、経験のある方も多いのではないでしょうか。

冷静に考えれば、差額はせいぜい数百円か、数千円です。でもその数百円のために、通知を気にし続け、逃せば苛立ち、買った後も他の出品を見ては後悔する。心が休まる時間がありません。


失敗②:割引を待ち続けて、着られる季節が終わった

もっと痛かったのが、こちらです。

通販サイトで洋服を買おうとしたときのこと。「そのうちセールになるはずだ」と考えて、割引になるタイミングをずっと待っていました。

そして、待っている間に——季節が進んでしまったのです。

結局、その服を気持ちよく着られるタイミングを、まるごと逃してしまいました。

これは象徴的な失敗だったと思います。安く買うことを優先した結果、「その服を着て過ごすはずだった時間」そのものを失ったわけですから。数千円を節約しようとして、ワンシーズンを失う。どう考えても割に合いません。


スーパーで気づいた「安い店に行かない」という合理性

一方で、最近の私はこう考えるようになりました。

スーパーで買い物をしていると、「この商品は、あっちの店の方が安い」と分かっていることがあります。

でも今の私は、その商品のためだけに、わざわざ別の店には行きません。

なぜなら、そこへ行けば——

  • – 移動の時間を使う
  • – ガソリン代もかかる

からです。数十円、数百円のために、時間と燃料を費やす。それなら、多少高くても同じ店ですべて買ってしまった方が、結果的にはお得なのではないか。そう考えるようになりました。

「安さ」だけを見れば負けているように見えても、時間とコストを含めた総合点では勝っている。この視点を持てたことは、私にとって大きな変化でした。


「自分の時間はタダではない」という当たり前のこと

これらの経験を通して私がたどり着いたのは、とてもシンプルな結論です。

自分の時間は、タダではない。

少しでも安い商品を手に入れるために、比較して、待って、通知を気にして、心をすり減らす。その時間と労力は、無料ではありません。

そして多くの場合、その労力は、実際に得られる差額を上回ってしまうのです。数百円安く買えたとしても、そのために何時間も費やしていたら、差し引きではマイナスかもしれません。

以前、ポイ活をやめた話を書きましたが、根っこは同じでした。1%のポイントを取り逃がすまいと必死になっていた頃と、最安値を追ってさまよっていた頃の私は、まったく同じ罠にはまっていたのです。


ただし、「待つこと」を全否定はしません

誤解のないように書いておくと、私は今でも「安く買う工夫」自体はしています。

たとえば私はAmazonプライム会員なので、プライムセールを待って、急ぎでないものはまとめて買うということはやっています。

ここでのポイントは「急ぎでないもの」という条件です。

  • – 今すぐ必要ないもの → セールまで待つのは合理的
  • – どうしても今欲しいもの → 待つべきではない

この線引きさえできていれば、「待つ」は有効な手段です。問題なのは、すべての買い物に最安値を求めて、際限なく待ち続けてしまうことなのです。


「欲しいときに手元に届く」という価値

最後に、私が一番大切だと思うことを書きます。

自分が本当に欲しいと思ったときに、その商品が手元に届く。

この満足感は、想像以上に大きいものです。

欲しい気持ちが高まっているときに、すぐ手に入って、すぐ使い始められる。その体験には、数百円の差額では測れない価値があります。

逆に、底値にこだわりすぎると——本当に欲しかったタイミングを逃し、待つ時間と調べる時間を浪費する。私が洋服で経験したのは、まさにこれでした。


まとめ:安さと引き換えに、何を失っているか

買い物で最安値を目指すこと自体は、悪いことではありません。でも、そこには必ず代償があります。

  • – 比較し、待ち、通知を気にする時間
  • – 買い逃したり、後から安いのを見つけたときの心のざわつき
  • – 待ちすぎたことで失う、使えるはずだったタイミング

これらを差し引いてもなお得なのか。一度、冷静に計算してみる価値はあると思います。

少しでも安く買うために、自分の時間と労力を使う。それは、わずかな差額以上の浪費になっているかもしれません。

急がないものはセールを待つ。でも、本当に欲しいものは、納得できる価格ならさっさと買う。そして、手に入れた時間を楽しむ。

私は今、そのくらいの距離感で、買い物と付き合っています。


なお、この「損をしたくない」という感情が判断を歪めた例として、もう一つ大きな失敗があります。失業手当を満額もらうことにこだわり、1年動けなかった話です。数百円ではなく、200万円以上を失った計算になりました。

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