会社の健康診断で、聴力検査に引っかかったことは一度もありません。
それでも最近、ときどき気になることがありました。
人が多くて騒々しい場所だと、相手の声が少し聞き取りにくい。
飲食店のざわめきの中や、人が大勢集まる場所。静かなところでは何の問題もないのに、周りがにぎやかになると、会話の一部がすっと抜け落ちるような感覚がある。頻繁ではありません。でも、年齢のこともあって、少し引っかかっていました。
そこで、耳鼻科で聴力検査を受けてみました。行く前には、スマホのアプリでも確認しています。
この記事では、耳鼻科の検査の中身と費用、健康診断の検査との違い、そしてアプリの結果と耳鼻科の結果がどうだったかを書きます。
※これは私個人の体験談です。聞こえについて気になることがある方は、耳鼻咽喉科にご相談ください。
耳鼻科に行ったのは、「体の点検」の一環でした
「ときどき聞き取りにくい」くらいで耳鼻科に行くのは、大げさだと思う方もいるかもしれません。
私の場合、あまり抵抗はありませんでした。というのも、歯や目についても、検査を目的に受診していたからです。目については、眼科で緑内障の検査を受けた話を書いています。
年齢を重ねてきたので、自分の体の状態を一度確認しておく。耳もその一つ、という感覚でした。
症状がはっきりしてから病院に行くのではなく、「今どうなっているか」を知るために行く。そう考えると、受診のハードルはぐっと下がります。
行く前に、スマホのアプリで確認してみた
耳鼻科に行く前に、まずは手軽にスマホで調べてみました。使ったのは、iPhoneの次の2つのアプリです。
- 自分で聴力検査
- Mimi聴力検査
どちらも、イヤホンやヘッドホンを付けて、聞こえる音に反応してタップしていく形式です。数分で終わり、結果がグラフで表示されます。
アプリの結果は、この時点では「参考程度」のつもりでした。答え合わせは、耳鼻科の検査で、と考えていたのです。
耳鼻科の聴力検査は、どんなものか
実際の検査は、15分ほどで終わりました。
基本は、会社の健康診断と同じく、ヘッドホンを付けて音を聞き、聞こえたら合図する検査です。ただし、いくつか違いがありました。
- 周囲の音が遮断された個室に入って検査する
- 検査する音の高さ(周波数)の幅が広い
この2点のおかげで、健康診断よりも詳しく聴力の状態が分かるのです。
健康診断の聴力検査との違い
調べてみると、違いはかなりはっきりしていました。
| 健康診断の聴力検査 | 耳鼻科の聴力検査 | |
|---|---|---|
| 調べる音の高さ | 2種類だけ(1000Hzと4000Hz) | 7種類(125Hz〜8000Hzの低い音から高い音まで) |
| 目的 | 聞こえに問題がありそうな人をふるい分ける | 聞こえの状態を詳しく調べる |
| 検査の場所 | 健診会場の一角など | 防音された部屋 |
健康診断の検査は、聞こえに問題がありそうな人を見つけるための「ふるい分け」です。2種類の音しか調べないので、そこで「異常なし」でも、その間や、それより高い・低い音の聞こえまでは分かりません。
「健診では毎年問題ないのに、なんとなく聞き取りにくい」——私のような状態の人は、健診では拾いきれない部分を確かめるために、耳鼻科の検査を受ける意味があると思います。
(参考:日本人間ドック・予防医療学会「聴力」)
結果:「高い音がやや落ちているが、問題なし」
検査の結果は、高い音がやや低下しているものの、全体としては問題なしでした。
医師からの説明も短く、あっさりと帰されました(笑)。
正直、拍子抜けするほどでした。でも、これでいいのだと思います。「問題なし」と言ってもらうために行ったようなものですから。
費用:保険診療で約2,000円
気になる費用は、保険診療で2,000円ほどでした。
聞こえが気になるという症状があっての受診なので、保険が適用されています。15分ほどの検査で、この金額。思っていたより、ずっと気軽に受けられるというのが実感です。
アプリと耳鼻科、結果に大きな差はなかった
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
事前にアプリで調べた結果と、耳鼻科で受けた検査の結果に、大きな差はありませんでした。
アプリでも「高い音がやや聞こえにくい」という傾向が出ていて、耳鼻科の結果も同じ方向だったのです。
ですから、私の実感としては——
「最近、聞き取りにくいかも」と思ったら、まずアプリで確認してみるのはアリです。
数分で、無料で、自宅でできます。耳鼻科に行くかどうか迷っている段階なら、最初の一歩としては十分だと思います。
ただし、アプリはあくまで目安です。使うイヤホンや周りの静かさによって結果は変わりますし、病気かどうかを判断するものではありません。アプリで気になる結果が出た場合や、不安が残る場合は、耳鼻科で確かめてもらうのが確実です。
検査を受けて、変わったこと
聴力は、落ちたら戻しにくい
受けてみて改めて感じたのは、年齢による聴力の低下は、薬などで元に戻せるものではないということです。
できることは、正直、限られています。ヘッドホンやイヤホンで、大きな音を長時間聞かない——せいぜい、そのくらいです。
それでも、確認したことで安心できた
それでも、受けてよかったと思っています。
アプリの結果だけでなく、耳鼻科の検査で医師に確認してもらった。このことで、一定の安心感が生まれました。
「たぶん大丈夫だろう」と思いながら過ごすのと、「調べたうえで大丈夫だった」と分かって過ごすのとでは、気持ちの軽さがまるで違います。これは、大腸内視鏡や胃カメラを受けたときにも感じたことでした。
【注意】急に聞こえなくなったときは、すぐ耳鼻科へ
最後に、一つだけ大事なことを書いておきます。
私のように「ときどき聞き取りにくい」という状態と、ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなったという状態は、まったく別のものです。
突然聞こえにくくなる「突発性難聴」は、できるだけ早く治療を始めることが大切とされている病気です。「そのうち治るだろう」と様子を見ず、すぐに耳鼻科を受診してください。
まとめ
- 健康診断で異常なしでも、騒がしい場所で会話が聞き取りにくいと感じることがあった
- 歯や目と同じ「体の点検」として、耳鼻科で聴力検査を受けた
- 耳鼻科の検査は防音の個室で15分ほど。健診(2種類の音)より幅広い音の高さを調べる
- 結果は「高い音がやや低下、全体として問題なし」。費用は保険診療で約2,000円
- 事前に使ったアプリの結果と、大きな差はなかった。まずアプリで確認するのはアリ
- 年齢による聴力の低下は戻しにくい。それでも医師に確認してもらった安心感は大きい
- 急に聞こえなくなったら、すぐ耳鼻科へ
もし最近、「聞き返すことが増えたかも」と感じているなら、まずはスマホのアプリで5分、確かめてみてください。それで気になることがあれば、耳鼻科へ。
「たぶん大丈夫」を、「確かめて大丈夫」に。 耳も、ほかの体と同じだと思います。
